REPORT

カワモクの風

2011年4月 大震災から1ヶ月を経て

想像を絶する東北関東大震災、亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたしますと共に、改めて被災された方々に謹んでお見舞いを申し上げます。
「これは本当に現実の出来事なのだろうか」
震災後一ヶ月、これほどいろいろ考えさせられ、日々、いたたまれない気持ちで過ごしたことはありません。日を増すごとに想像を遙かに超えた被災地の生々しい映像を目の当たりにし、それに対する悲痛な思いと、自分の置かれている現実との狭間に何とも言えない思いに駆られた日々でした。
被災地に対し、ボランティア団体をはじめとする各地からの温かい支援の広がりの一方で、被災地以外の地域でのガソリンや食品の買い占めによる日常生活の混乱。秩序を保ち礼儀を守り、助け合いの国という海外からの絶賛報道の裏側にある、義援金詐欺の多発。悲痛な節電の呼びかけに反したナイター開催判断、某知事の発言などあまりにも異なる価値観、あらゆるところで今の世相が浮き彫りとなっていました。そして、原発問題の深刻化による農作物、魚介類への風評被害、更には弊社も含め企業活動の生産低下による経済への影響も更に厳しさを増しております。
その様なさまざまな思いが巡っていた最中、すべての言葉を失った映像が今でも脳裏に焼き付いています。
「おかあさん!おかあさん!」
津波により変わり果てたがれきだらけの町中で、母を捜して泣き叫んでいる少女の姿。これを思うとすべての考えが一瞬にして打ち消されます。
「今、私たちにできること」
それは一時たりとも今もなお苦闘している被災地のことを忘れないこと、そして人として節電をはじめ身の回りのできることから真摯に見直すこと。企業としてもささやかですが義援金活動などを通じての支援、そして、建設業の使命として、未だに充分ではない地域の耐震化をはじめ、欠陥住宅の絶滅、建物の点検、メンテナンスを着実に遂行していくことと切に感じております。
今、当たり前のこと、生かされていることに感謝し、人として企業人として「使命」を果たして参りたいと改めて意を強くしております。