REPORT

カワモクの風

2011年5月 耐震化率の向上に向けて

「経営者の皆さん、与えられた“命”、なにに“使”いますか?」
私が最も尊敬している経営コンサルタントのT氏、先日の講演会での投げかけに度肝を抜かれました。大震災から2ヶ月、各地で復興が求められている中、仕事をする上で最も大切な「使命」への問いに改めて身の引き締まる思いと共に、まさに限りある「命」そして「時間」の使い方を考えさせられました。
私たち建設業界の「使命」も、急ピッチで進めている仮設住宅建設をはじめ、耐震化への取り組み、補修メンテナンス体制の充実など、早急に実行していかなければならない課題が山積しております。弊社もその中の耐震化への一端を担うべく、過日、市内の中学校の耐震工事の入札において縁を頂き、準備を進めているところです。
今、耐震化率の向上が急務であり、各地で叫ばれています。
「耐震化率」とは、耐震性があると見なされた建物の数を全体の建物の数で割った割合で、耐震性とは、昭和56年に施行された「新耐震設計基準」に基づき設計された建物及び、昭和56年以前であっても補強工事がなされた建物を意味します。この耐震基準は震度6強から震度7程度の地震に対しても、人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じないと定義されています。
昨年の4月1日時点、埼玉県内の公立小中学校の耐震化率は69.1%、地元川越市は63.7%でした。今年4月1日時点で、未だに市内59校中、20校37棟が新耐震基準を満たしておらず、日常の子どもたちの学舎ということを考えますと一日も早い着手が不可欠です。
一方、住宅においても深刻な状況は同様です。埼玉県の住宅耐震化率は74.0%、川越市においては67.9%となっており、川越市住宅総数約13万3300戸のうち耐震性のある住宅は10万2500戸であり、なんと残り3万800戸もの住宅が未だに震度6強で倒壊の恐れがあるという悲痛な状況です。本来、家族が安心安全に暮らせる場を提供するはずの住宅、早急に新築での長期優良住宅の普及と共に耐震リフォームを推し進めていかなければなりません。
創業以来、長年にわたり与えられている企業の“命”、地域の皆様にお役に立てるよう大切に“使”って参ります。